中山大の図書館前に設置される蒋介石の立像(左)と孫文の坐像
(高雄 13日 中央社)中山大学(高雄市)は13日、構内の孫文像と蒋介石像について、移転か現状維持かを決める全学投票を実施すると発表した。2体の像をめぐっては近年、落書きやいたずらが相次いでおり、2016年5月の蔡英文政権発足後は銅像の処置に関して関心が高まっていた。
同大は孫文が1924年に中国大陸・広州に設立した広東大を前身とし、翌年逝去した孫文の功績をたたえるため、1926年に中山大に改称。中華民国政府が台湾に移った後、1980年に現在地で創立された。
投票は10日現在で在籍中の全ての学生と教職員が対象。現在は図書館前に設置されている孫文像と蒋介石像それぞれの移転について、「現状維持」「学内の別の場所に移転」「学外移転」の3択で賛否を問う。16日から19日までインターネット上で投票を受け付け、20日に結果を公表する。
「現状維持」の得票数が投票総数の5割を超えた場合は現状維持、「現状維持」と「学内の別の場所に移転」の合計が全体の5割に満たなかった場合は、学外に移転するという。
同大によれば、全学投票で銅像移転の賛否を問うのは台湾の大学で初めて。同大では2016年10月の学務会議で学生代表から銅像撤去の提案が出されたのを機に、同年末に問題に対応する委員会を設置。処置の方法を検討すると同時に、弁論大会や公聴会などを開いた。全学投票の実施は昨年11月の学務会議で決まっていた。