放ち鵜飼の実現を目指し、クラウドファンディングを始めた鵜匠ら=宇治市役所
京都府宇治市観光協会は19日、追い綱を使わない「放ち鵜飼」の実現に向け、インターネット上で寄付を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。人工ふ化で生まれたウミウで実現すれば国内初で、培ってきた鵜匠との固い絆を生かす舞台になる。関係者は「皆さんに応援していただき、トレーニングを進めたい」と張り切っている。
ウミウの人工ふ化は2014年に国内で初めて成功、現在は9羽が育ち、既に3羽が鵜飼デビューを果たしている。
本来は警戒心が強いが、鳥の習性で初めて目にした鵜匠を親と認識。「ウッティー」と呼べば戻るようになり、放ち鵜飼への挑戦を決めた。昨年から綱なしで川に入り、餌を取って戻る訓練をしている。通常の鵜飼と異なり日中に行う予定で、20年度の本格実施を目指している。
今後も増やすウミウの飼育費や訓練スタッフの増員など資金調達の必要性に加え、放ち鵜飼のPRも兼ねてCFに取り組むことにした。目標額は150万円で、6月29日まで募る。
寄付額に応じ、抹茶茶碗や鵜匠との食事会、放ち鵜飼の内覧会などの贈答品を用意している。鵜匠の江﨑洋子さん(39)は「飼育も放ち鵜飼も手探りでやってきた。ウッティーの活躍の場になってほしい」と期待する。CFのホームページはhttps://www.makuake.com/project/uji―ukai
【 2018年04月19日 19時00分 京都新聞 】