激しい雨の中、かすかに見える如意ケ獄の「大文字」
お盆に迎えた祖先の霊を送る伝統行事「五山送り火」が16日夜、京都市内の各山で営まれた。激しい雨のため、如意ケ嶽(左京区)の「大」の炎は火勢が弱く、文字は見えにくかった。「妙法」や「船形」などは雨の暗夜に浮かんだ。
京都市ではこの日夕、大雨洪水警報が発令された。午後8時、予定通りに如意ケ嶽の「大文字」が点火されたが、豪雨の影響で「大」の字は見えにくかった。
出町橋西詰(上京区)では多くの人が「大文字」を眺めようと集まったが、雲の切れ間に数秒ほど炎が見えた程度で、落胆ムードが広がった。観光で来ていた会社員岡崎奈津美さん(27)=山口県周南市=は「京都には何度も来ているが、送り火は見たことがなく是非見たいと思っていた。本当に残念」と話した。
一方、「大文字」に続く「妙法」(左京区)、「船形」(北区)、「左大文字」(同)、「鳥居形」(右京区)では、文字や形が炎によって彩られ、荘厳な雰囲気を醸した。
京都府警によると、今年の人出は昨年より3万人少なく、約3万人だった。
豪雨による記録では、1963(昭和38)年、雨で日延べになり、翌17日に「大文字」が点火された。