性被害者に寄り添う社会の実現を願って、心の枷などを象徴する仮面を一斉に放り投げるパレードの参加者たち
台北で台湾初の「#MeToo」パレード セクハラ被害者を鼓舞
(台北 21日 中央社)セクハラや性被害を告発する「#MeToo」運動に呼応した台湾初のパレードが21日、台北市内で行われた。1000人近くが参加し、勇気を持って立ち上がろうと訴えたほか、終了後には、社会の偏見や心の枷を象徴する仮面を空に向かって一斉に放り投げ、被害者に寄り添う社会の実現を願った。
パレードを主催した人権擁護団体「励馨基金会」の紀恵容執行長によると、「#MeToo」は台湾では今のところあまり盛り上がりを見せておらず、同運動によって加害者が糾弾されるまでには至っていないという。
衛生福利部(衛生省)の統計では、昨年通報された性的暴行事件が1万4000件を上回る。紀氏は、台湾で同運動が広まりにくいのは被害者がいないからではなく、事実よりも人間関係を優先させる国民性に一因があると指摘。パレードでこの垣根を取り払い、台湾でも「#MeToo」運動が本格化することに期待を寄せた。