京都市都市整備公社が経営する駐車場。
すでに一部で緑化が進められている(京都市上京区)
京都市は、急増しているコイン駐車場の緑化に乗り出す。民間事業者が目標面積を達成できなかった場合、不足面積に応じて「罰金」を徴収し、道路などの緑化の資金に充てる。コイン駐車場の急増で拡大しているヒートアイランド現象の抑制も期待される。
市内のコイン駐車場は、狭い土地でも簡単に整備できる手軽さから年々増えており、2015年時点で約2200カ所に上る。住宅や店舗の跡地に整備されるケースが多く、コンクリートの地面がヒートアイランド現象を助長している。落ち葉の処理や植栽の維持管理に手間がかかることもあり、多くの駐車場で緑化は進んでいない。
市は今月4日、コイン駐車場を手がけるキョウテク(北区)、コンセプト(下京区)、テクハン(中京区)、市都市整備公社(下京区)の4社と協定を結んだ。各社の駐車場で毎年100平方メートル以上を緑化する内容で、未達成時には市が1平方メートルあたり1万円を協賛金として集め、御池通の花壇整備費などに充てる。
市は「京のみどり推進プラン」で、視界に入る緑の割合を示す「緑視率」を15年度末までに10%超にする目標を掲げたが、37地点のうち11地点で達成できなかった。駐車場を含めた民有地への助成制度も設けたが、浸透していない。
市みどり政策推進室は、4社の協力を得てコイン駐車場の緑化を進める方針で「日常生活の中で京都の四季を感じることができる環境をつくりたい」としている。