旧山線の線路を活用したレールバイク
(苗栗 25日 中央社)廃止された旧山線の線路を活用した「レールバイク」の開業に向けて、苗栗県政府は試運転を進めている。同県文化観光局によれば、7月1日に試験運行を開始する予定。徐耀昌県長は24日、張景森・行政院(内閣)政務委員らとともに視察に訪れ、新たな観光資源として観光客を呼び込みたい考えを示した。
旧山線は三義(苗栗)―后里(台中)間を走る全長15.9キロの路線。日本統治時代に開業し、100年以上の歴史を有する。1998年に廃止された後、蒸気機関車の復活運転が行われたこともあったが定期運行には結びつかず、有効活用がされていなかった。沿線では1935年の新竹・台中地震で崩壊したれんが造りのアーチ橋「龍騰断橋」のほか、変化に富んだ景色も楽しめることから、同県は旧山線を観光資源と位置づけ、レールバイクの運行を考案。交通部(交通省)観光局から3億台湾元(約11億円)の補助金を獲得し、準備を進めている。
レールバイクはまずは勝興駅から旧山線6号トンネルまでの県内区間全長約6キロで運行する予定。
張政務委員ら一行はこの日、4人乗りの車両に試乗し、一部区間で運転を楽しんだ。
徐県長によれば、沿線には中国語のほか、日本語と英語の標識なども設置される。張政務委員は、レールバイクの運行による旧山線の活性化に期待を寄せ、国際的な新観光名所になるだろうと話した。
文化観光局によると、7月中の試験運行は県民を対象とし、他県市からの観光客への開放は8月からを予定している。1日の乗車可能人数は約1500人で、予約制を採用する。