東部地震で倒壊したビルの跡地で行われたコンサート
(花蓮 6日 中央社)東部・花蓮県で今年2月に発生した地震で倒壊し、14人の犠牲者が出たビル「雲門翠堤大楼」の跡地で5日、コンサートが行われた。イベントの発起人の1人である江佩瑾さんは、地震で傷ついた人々の心が音楽で癒されることで、跡地に残された悲しい記憶を塗り替えられればと語った。
イベントは、阪神大震災の復興を願って開かれたコンサートを描いた日本の絵本「1000の風 1000のチェロ」から着想を得て企画された。江さんは、子供を連れて同ビル付近を散歩していたところ、道端で出会った被災者から「跡地は夜になると真っ暗になり、怖い」という声を聞き、コンサートを開いて人々の心を癒せないかと考えたと話す。
この日は、県内の大学や小学校の弦楽団、地元の室内楽団など、約10団体、100人余りが演奏を行い、人々に音楽を届けた。終盤には、台湾でも親しまれている「千の風になって」などの楽曲も演奏された。会場には、小物の手作り体験や読書スペースなども設けられた。
訪れた被災者は、被災者であってもそうでなくてもイベントを通じて癒しが得られたと話し、犠牲となった人々の供養にもなっただろうと語った。