初の台湾人神職の黃俊瑜さん(左)=高士神社管理委員会提供
(屏東 7日 中央社)2015年に再建された南部・屏東県牡丹郷の高士神社で5日、初の台湾人神職、黄俊瑜さんが例祭を執り行った。中学生の頃から神職を目指していたという黄さんは、「やっと夢への第一歩を踏み出した」と喜びを語った。
日本人の血を4分の1受け継ぐクォーターで、幼い頃から神道に興味を感じていたという黄さん。神職養成課程のある大学などで学ぼうと日本へ赴いたものの、日本国籍を持っていないという理由で受け入れてもらえなかった。転機は、同神社を再建した宮司、佐藤健一さんとの出会い。黄さんが神職を目指していることを知った佐藤さんは、黄さんを養子に迎え入れた。
同神社は日本統治時代の1939(昭和14)年に創建された。戦後は台風などで荒廃が進んだが、東日本大震災の際に台湾から多大な支援が寄せられたことに感銘を受けた佐藤さんが再建。これまで同神社の例祭は佐藤さんが執り行っていたが、将来的には黄さんが引き継ぐ予定だという。
佐藤さんは、外国人が日本で神職に就いた例は少ないと紹介。台湾の神社で、史上初の台湾人神職が誕生したことはきっと何かの縁だろうと語った。