東大手門をくぐる観光客たち(2017年3月22日、京都市中京区・二条城)
世界遺産・二条城(京都市中京区)の2017年度の有料入城者が243万9千人となり、大阪万博があった1970年度以来47年ぶりに過去最多を更新したことが、市の集計で分かった。外国人観光客が大幅に増えている上、17年は二条城が舞台となった大政奉還から150周年を記念するイベントが相次いだことから、前年度を50万人も上回った。
入城者数は近年、外国人観光客の増加に伴って回復基調にあり、6年連続で前年度から増加した。14年度に160万人台、16年度には190万人台を回復するなど堅調に推移している。
17年度の伸びも外国人観光客がけん引した。17年9月から18年1月にかけて市が実施した調査では、全入城者の6割が外国人だったという。国・地域別では中国、台湾、米国の順に多く、通年でも半分以上を外国人が占めているとみられる。16年度に多言語案内や英語での解説を拡充したことも奏功したとしている。
昨年は大政奉還150年で10月にライトアップや夜間公開を実施し、11月には芸術展「アートアクアリウム城」なども展開したことで集客力が高まった。
市は11年度から20年計画で二条城の修理事業を進めている。総事業費は100億円で、市は国庫補助などを除く50億円を事業収入や寄付で賄うため、集客対策を強化している。18年度はトイレ清掃の頻度を高めるなど接客にも注力しているという。
市の元離宮二条城事務所は「大政奉還150周年の後も多くの観光客に関心を持ってもらえるよう、発信を続けたい」としている。