ツインルームを広めに設計し、3人で泊まれる造りにしている
3人が泊まれるトリプルルームなど広めの客室を設けるホテルが、京都市内で相次いでオープンしている。訪日外国人の客層がツアー利用者から個人旅行者へとシフトし、家族やグループでの宿泊ニーズが高まっているためだ。ホテルの建設ラッシュで競争激化が見込まれる中、利便性の高さで宿泊需要をつかもうとしている。
中京区のオフィスビルを改装して8日にオープンする宿泊主体型ホテル「RAKURO(ラクロ)京都」は、シングルルームがなく、客室56室のうち4人部屋と3人部屋がそれぞれ18室を占める。長期滞在者向けに、共同キッチンやレンタサイクルも完備した。観光関連の書籍約100冊が並ぶ図書スペースも設置。飲食店などを紹介する独自のマップ配布や、地域住民と交流できるヨガや座禅のイベントも予定する。
運営する京王電鉄子会社の不動産会社リビタ(東京)は、利用者の半数以上を訪日外国人と想定する。中でもグループや家族連れが多い個人客の宿泊ニーズを見込み、客室や設備を設計した。
国土交通省がまとめた訪日外国人の旅行手配の推移によると、団体のパッケージツアーを利用した割合は2012年の39・2%から17年に26%へと減少。反比例して、個人旅行は同期間に60・8%から75・7%へと伸びた。その要因を、リビタのホテル事業部は「京都を何度も訪れる人が増え、団体ツアーでは行けないような場所を求めて自由に出掛けたい人が増えたのではないか」と分析する。
三菱地所子会社のロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ(東京都)が4月13日に開業した「ザ ロイヤルパークホテル 京都四条」(下京区)も、ツイン106室のうち、トリプルに対応する部屋を28室設けている。
広報担当者は「国内の女性グループ客も多く、週末の稼働はトリプル対応がほとんどの状態」と話す。
3月に開業した「ホテルインターゲート京都 四条新町」(中京区)も、153室全てで20平方メートル以上の面積を確保した。隣り合うツインルームの間にある扉を開放し、双方を行き来できる4人部屋を12室設置した。5月に入ってからも、家族連れを中心に利用が好調という。
(京都新聞)