WHO年次総会の会場
(台北 10日 中央社)スイス・ジュネーブで21日に始まる世界保健機関(WHO)年次総会に台湾が依然として招請されていないのを受け、米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)は9日、フェイスブックで「米国は台湾がオブザーバーとしてWHO総会に出席することを強く支持する」と表明した。中華民国(台湾)と外交関係を結ぶ「国交国」や欧州連合(EU)などからも参加支持が表明されている。
AITは健康の大切さと感染症の拡大を早期に食い止めることの重要性に触れた上で、台湾のWHO総会参加を支持する姿勢を示した。続けて、台湾は世界健康安全保障に力を入れ、公衆衛生と発展に大きく貢献してきたとし、「台湾は重要な議論から排除されるべきではない」とする米国の立場を示した。
EUの外務省に相当する欧州対外行動庁の報道官は8日、ベルギーで中央社の取材に応じ、台湾のWHO総会参加に対する明確な支持を表明した。EUが書面ではなく、インタビューに応じた上で支持を示すのは珍しい。報道官は、EUが掲げる「一つの中国」政策とEUの政策目標と合致する範囲内で、台湾の国際参加問題を実務的に処理することをEUは支持すると述べた。また、国際参加にはWHOやWHO総会、関連する全ての技術会議が含まれるとし、台湾の参加は歓迎されるべきだとの考えを示した。
台湾の参加を後押ししようと、複数の国交国がWHOに対し、台湾をオブザーバーとしてWHO総会に招請することを求める提案を書面で提出している。関係筋によると、その数は9日までに16カ国に上っているという。
台湾は2009年から2016年まで8年連続でWHO総会にオブザーバー参加してきたが、昨年は中国大陸の圧力により出席できなかった。今年の出席登録は7日に締め切られたが、台湾にはいまだ招請状が届いていない。