中華民国国旗のイラストが描かれていた牛の像。中国大陸の人の抗議を受け、展示された際、豪ロックハンプトン市によって中華民国国旗の部分が青く塗りつぶされた=フェイスブックより
(台北 10日 中央社)オーストラリア・クイーンズランド州で開かれたイベントで、台湾出身の生徒が像に描いた中華民国国旗のイラストが中国大陸の人の抗議を受けて消されていたことが分かった。外交部(外務省)が10日、明らかにした。同部は、駐ブリスベン台北経済文化弁事処(領事館に相当)を通じて主催者に連絡し、文化イベントが政治的な意見の干渉を受けることがないよう求めたとしている。
現地メディアの報道によれば、イベントは牛肉PRを目的に開かれたもので、ロックハンプトン市と豪州牛肉博覧会が共同で開催した。会場で展示するため、地元の生徒が牛の像6基に絵付けをし、台湾出身の高校生2人がそのうち1基に、中華民国国旗を魚の形にアレンジしたイラストを「台湾」の文字とともに描いていた。だが展示された際には、中華民国国旗の部分が青く塗りつぶされた。
ロックハンプトン市側は、像のペイントに変更を加えたことを認め、オーストラリア政府が従う「一つの中国」政策に合致させるためだと理由を説明した。イラストを描いた台湾出身の生徒の母親によれば、生徒は市の決定に心を痛め、がっかりしているという。