神馬の前で「東游」を披露する舞人たち
(12日午後4時40分、京都市左京区・下鴨神社)
葵祭(15日)を前に、新しく生まれた神霊を迎える御蔭(みかげ)祭が12日、京都市左京区の下鴨神社などで行われた。木漏れ日が降り注ぐ糺の森の「切芝」と呼ばれる祭場では、参拝者が優雅な舞「東游(あずまあそび)」に見入った。
正午前、同区上高野にある御蔭神社で新たな神霊を迎える神事が始まった。神職らは降臨した神霊を神霊櫃(ひつ)に丁重に移して同神社を出発。途中、摂社などに立ち寄りながら下鴨本通を南下し、下鴨神社を目指した。
一行は午後4時15分ごろ切芝に到着した。東游が行われ、和琴(わごん)やひちりきが奏でるゆったりとしたリズムに合わせて、6人の舞人がみやびやかな舞を披露した。王朝文化を今に伝える舞踊を、神霊を運ぶ神馬は幕の間から愛らしく顔を出して眺め、参拝者も興味深そうに見入っていた。
御蔭祭は葵祭の前儀で最も重要とされる。運ばれた神霊は下鴨神社の祭神と一体となり、葵祭当日を迎える。