民間団体「台湾聯合国協進会」が17日、与党・民進党と外交部を訪れ、「台湾」の名義で国連に加盟を申請するよう蔡英文政権に求めた。これに対する与野党の反応は賛否両論が入り交じっている。
中華民国(台湾)は1971年、国連での代表権を中国大陸に奪われたため脱退。再加盟は現在に至るまで実現していない。2007年には当時の民進党・陳水扁政権が国連に対し、台湾名義での加盟を初めて申請している。
台湾名義での国連加盟について、民進党の立法院党団(議員団)の呉秉叡幹事長は18日、政府として考慮する価値のある議題だと一定の支持を示す一方、休会中のため、党団での議論はまだできていないと語った。
一方、野党・国民党の立法院党団の江啓臣・首席副書記長は、国連への加盟は過去に陳政権が8年にわたり推進したが、結果がどうなったかはみんなが知っていると指摘。古い話題を掘り返して、再び人民を失望させてほしくないと述べた。
また、国民党文化伝播委員会の胡文キ・副主任委員は、「我々の名前は中華民国だ」と強調。同党は中華民国名義での国連再加盟を目指す立場を堅持するとした。(キ=王へんに奇)
民進党と国民党に次ぐ第三党の時代力量党団の徐永明・総召(院内総務に相当)は、台湾の名称で五輪や国連に参加できるのであれば、同党はこれを支持すると語った。
ただ、李大維・外交部長(外相)は18日、報道陣の取材に対し、「政府が国連加盟を推進することはない」と述べている。