マルコ・ルビオ米上院議員
(台北 17日 中央社)中国大陸の圧力を背景に中華民国(台湾)が中米のパナマやドミニカ共和国などとの断交を余儀なくされていることについて、米共和党のマルコ・ルビオ上院議員は15日、次は南米パラグアイが台湾と断交するのではないかとの懸念を示した。外交部(外務省)の李憲章報道官は16日、これについて、パラグアイとの関係は安定していると中央社の取材に語った。
ルビオ議員は15日、上院外交委員会の対アジア政策に関する公聴会で質疑に立った。中国大陸が台湾と外交関係を結ぶ国の引き抜きを続けていることに対する懸念を示した上で、台湾の国交国であるホンジュラス、グアテマラ、パラグアイなどの国々に対して米国政府は台湾との国交関係の維持に関心を寄せていることを明確に伝えているかと追及した。米国務省のアレックス・ウォン次官補代理(東アジア・太平洋担当)はこれに対し、台湾海峡の安定の鍵は「現状維持」にあるとする米政府の立場を表明。台湾の国交国に影響を与える行為は「現状に変化をもたらすもの」だと米国は見なすとし、各国や北京側にもこの立場は伝えていると答えた。
李報道官は、米国の友人の支持と心遣いに感謝すると述べた。同部は情報の把握と国交国との関係強化に努めるとし、北京当局の圧力に屈しない姿勢を強調した。
独立志向とされる蔡英文政権が2016年5月に発足して以来、中国大陸は台湾への外交圧力を強めている。蔡政権発足からすでに3カ国と断交しており、国交国は19カ国にまで減少した。パラグアイは南米唯一の国交国で、昨年7月には大統領が台湾を訪問した。