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伝統「穴太衆積み」で石垣復元 滋賀・戦国期の石材も活用

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石垣の角になる角石を選別する粟田さん(中央)と復元委員会のメンバー 


大津市穴太地区の住民らが、同地区が発祥の地とされる伝統の石積み工法「穴太衆積み」で石垣を復元するプロジェクトを、同市穴太1丁目の高穴穂神社で始めた。復元には工法を継承する14代目石匠の粟田純司さん(77)=坂本3丁目=が監修するほか、戦国時代に築城された石垣の石材も使い、本年度末の完成を目指す。

 プロジェクトは2016年11月に同市伊香立生津(なまづ)町の生津城遺跡から、16世紀中ごろの石垣の基礎部分が見つかったことを機に企画された。

 プロジェクトに関わる丸山竜平・元名古屋女子大教授(考古学)=京都市山科区=は「(生津城遺跡の石は)確認されている穴太衆積みの中で最古と推定できる」と話す。この石材を活用するため、17年2月に穴太地区の住民有志が中心になって復元委員会を結成。復元作業を体験し、穴太衆積みの石垣を見学できる場所をつくることにした。

 復元委員会は会員数が26人。石垣の奥に多量の石を使うなど穴太衆積みの定義を決め、復元図も作成した。

 復元する石垣は延長20メートル、高さ1・2~1・5メートル、奥行き1メートルで、今月から本格的な復元作業が始まった。発掘された石を含め、近くで採れた40~70センチ大の石約240個と、石垣の裏や隙間に詰める小石約1500個で石積みを行う。粟田さんは石垣の角に使う角(すみ)石などの選別準備に訪れ、「この石なら大丈夫」と復元にお墨付きを与えた。

 石積み作業は19日から毎月第1、3土曜に行う。復元委員会代表の生嶋正義さん(68)=大津市穴太2丁目=は「地元で手軽に穴太衆積みを見られる場所がなく、石垣を復元することで発祥の地を全国にPRしたい」と意気込む。


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