二年坂で地元まちづくり団体が設置した共同看板。
景観規制に合わせたデザインに仕立てた
京都市東山区の観光名所・二年坂で、地元の住民や商店主でつくるまちづくり団体「古都に燃える会」が、道標に見立てた「共同看板」を設置した。国の重要伝統的建造物群保存地区や市の景観規制に合わせたデザインに仕上げるとともに、路地奥にあって目立ちにくい店などを紹介している。
共同看板は高さ130センチ、幅・奥行きともに20センチ。アカマツの木柱に、路地にある店の名称や、近くにある有名観光地への道筋、トイレが分かる地図を書き記した鉄板を張り付けた。訪日外国人の増加を踏まえ、英語でも表記した。
二年坂では、看板やのれんといった屋外広告物に対し、市の条例規制に加え、古都に燃える会として独自ルールを上乗せして周辺店に課している。ただ、一部店から広告や宣伝の制限に不満が出ていたため、景観規制に適合する共同看板づくりを2015年ごろから検討していた。
同会の島田耕園会長(60)は「市職員や京都女子大の学生とも協力し、デザインや表記を練った。景観は規制を守るだけではなく、新たな魅力発信につながるよう地域から創出していく動きや発信も大切。まちづくりの一環として研究と実践を続けたい」としている。