片倉真理さん=5月初旬、台北市の中央社本社で撮影
ご主人、片倉 佳史さんとの共著「旅の指さし会話帳」のイラストを担当
(台北 25日 中央社)「台湾は魅力を伝えたくなるパワーを持った島なのではないか」。そう語るのは台湾在住ライターの片倉真理さん。台湾に魅了された“台湾好き”の中には、台湾で見たことや知ったことなどをブログやSNSなどを通じて詳細に発信する人も少なくない。台湾を紹介するガイドブックも増加する中、片倉さんは情報そのものというよりも、台湾の土地を理解する“ヒント”を与えようと紀行ガイド「台湾探見 Discover Taiwan」を先月出版した。「いろいろなところに行って、現地の人とコミュニケーションをとってもらいたい」と台湾の楽しみ方を提案している。
片倉さんは、同じく台湾の情報を発信する作家、片倉佳史さんとの結婚を機に、1999年に台湾に移住。住み始める前から台湾を好きだったが、当時は台湾の歴史や日本語教育を受けた人の存在などについてはあまり知らなかったという。実際に来てみると当時のことを語ってくれる人が多く、「衝撃的だった」と振り返る。
台湾在住歴は今年で19年になる。台湾の人から「飽きないか」と聞かれることもあるというが、「あんまり飽きない」と笑う。「知れば知るほど面白くなる土地」と台湾の魅力を語る。
同書では、これまでの取材を通じて知った台湾各地の風土や歴史などをまとめた。台南のアップルマンゴー(愛文)の開発秘話や台湾原住民(先住民)サイシャット族の祭りなどから、嘉義や台東など地方都市まで、台湾の知られざる一面が紹介されている。
同書の執筆を通じてより好きになった都市は南部・嘉義。「行く度に発見がある」と片倉さんは話す。七面鳥を使った「火鶏肉飯」やマヨネーズをかけた涼麺など独自の食文化があるほか、古い建物も多く残り、「街歩きが面白い街」と太鼓判を押した。
片倉さんは台湾の良さについて、失敗したことよりも挑戦を褒め称える土壌がある点を指摘する。「日本では新しいことに挑戦しにくい。台湾には新しいことに挑戦しようと思える周りの空気がある。それが台湾の魅力」と語った。