左から顧立雄・立法委員、洪秀柱・国民党主席
野党・国民党の洪秀柱主席は18日、国立故宮博物院(台北市)が収蔵する文化財と、中央銀行が保管している金塊は、(蒋介石が)「中華民国総統」ではなく「国民党総裁」の立場で中国大陸から台湾に運んだものであり、当然「我が党の資産だ」と述べた。
国民党は戦後、日本が台湾に残した不動産などを接収し、それらを元手に事業を行い巨額の資産を築いたとされる。だが、民進党が今年1月の立法委員(国会議員)選挙で初の単独過半数を獲得し、先月下旬には国民党が不当に得た資産の返還を求める法律を成立させた。これを受けて今月末にも行政院(内閣)に専門の委員会が設立され、追及が進められる見通し。
委員会のトップに内定している民進党の顧立雄・立法委員は19日、洪氏の発言は、(党が国の上に立ち、全てを指導する)「党国体制」など国民党の心理状態を反映したものだと指摘。もし同党が台湾を中華民国の継承者と考えるのであれば、文化財や金塊は当然、国家の財産の一部だと反論した。
国民党は今年3月に発表した報告書でも、故宮博物院の文化財や金塊を党の資産として扱っていた。これに対して同院の馮明珠院長(当時)は、文化財は「全て中華民国が所有している」との見解を示している。