京都の夏を送る風物詩、千灯供養が23日、京都市右京区嵯峨鳥居本の化野(あだしの)念仏寺で始まった。約8千体の石仏が、ろうそくの炎に照らされて浮かび上がった。
同寺によると、化野は古くは葬送の地で、供養のために石仏や石塔が祭られた。無縁となったものも多く、1904(明治37)年に地元住民が集めて始めたという。毎年、地蔵菩薩(ぼさつ)の8月の縁日(24日)、地蔵盆に合わせて実施している。
午後6時ごろ、地蔵堂で読経が始まり、6人の僧侶が境内に石仏を並べた「西院(さい)の河原」を、読経しながらまわった。続いて参拝者が入り、石仏にろうそくを献じて手を合わせた。ろうそくの炎は日が暮れるにつれて赤みを増し、境内は幻想的な雰囲気に包まれた。兵庫県姫路市から約50年ぶりに訪れた安東和子さん(76)は「以前は今ほど有名ではなく、人もまばらでした。境内が整備され、いい雰囲気でした」と話した。
24日夜も営まれる、中学生以上千円。