約6千体の石仏と石塔にろうそくの火をともして無縁仏を弔う「万灯供養」が22日夜、滋賀県東近江市上山町の引接寺(いんじょうじ)で営まれた。無数の明かりが揺らめく幻想的な境内で、参拝者たちが静かに祈りをささげた。
石仏などは、1573年に百済寺(同市百済寺町)が織田信長に焼き払われて以降、辺りの山や川に散乱していたと伝わる。約400年後の1976年から約10年かけて住民らが集め、百済寺の末寺にあたる引接寺に安置。その後は毎年8月22日に万灯供養を実施しており、今年で30回目を迎えた。
平和を祈る採灯護摩がたかれた後、午後7時すぎから、山伏姿の稚児3人が石仏と石塔に供えられたろうそくに火を付けて回った。続いて訪れた親子連れらも次々に火をともし、家族の健康などを祈りながら手を合わせていた。