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太子山の胴掛、243年ぶり新調 祇園祭、ベトナム刺繍で

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太子山の胴掛、243年ぶり新調 祇園祭、ベトナム刺繍で


今年完成した太子山の右側を飾るベトナム刺繍の胴掛+(京都市下京区・下京雅小) 

祇園祭の太子山保存会(京都市下京区油小路通仏光寺下ル)がベトナムで制作を進めていた懸装品が完成し、9日に胴掛2枚がそろって報道陣に公開された。243年ぶりの新調で、ベトナム刺繍(ししゅう)による黄金のクジャクや色とりどりの花の図案が美しく、前祭(さきまつり)の山鉾巡行(7月17日)で一対そろって初めて使用される。

 昨年には山の左側を飾る1枚目の胴掛が完成。今年できた2枚目は同サイズの縦1・7メートル、横2・4メートルで山の右側を飾る。金色のクジャクを中心に多くの花と動物が彩るデザインで制作に1年2カ月かかった。綴(つづ)れ織りの紺地はブラジルの高級絹糸を用い、地の部分は金糸の「スガ刺繍」という技法で飾っている。

 従来の胴掛は18世紀前半に制作されたインド刺繍の懸装品だったが、復元に多大な資金がかかるため、新調することになった。描かれていた「生命の樹」と「クジャク」をモチーフに図案は着物意匠デザイナーの原田茂さん(68)が担当。保存会評議員の斎藤健雄さん(81)の紹介で、刺繍の技術の高いベトナムで胴掛2枚の制作を進めていた。

 川口良正理事長(68)は「町内の方々が積み重ねてきた資金協力で完成できた。日本とベトナムの刺繍の技術が融合した美しさをぜひ間近で見てほしい」と話す。
10日午後1時半~3時に下京雅小会議室で一般公開。
無料。
(京都新聞)


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