8月にマイナス40センチを下回るのは8年ぶり
滋賀県内は7月以降、降水量が平年より大幅に少ない「少雨の夏」になっている。特に8月に入ってからは平年の2~3割にとどまり、琵琶湖の水位も8月としては8年ぶりにマイナス40センチを下回った。現時点で農業や市民生活に影響は出ていないが、関係者は今後の天候を注視している。
■8月の降水量、平年の2~3割
7月の降水量は大津が109ミリ、彦根は157ミリで、平年値と比べると大津は49%、彦根は72%だった。8月に入ってからはより雨が少なくなっている。上旬は大津で平年値の12%しかなく、彦根ではまったく観測されなかった。中旬も大津は平年値の25%、彦根も33%にとどまっている。
彦根地方気象台などは「気圧の谷の影響で湿った空気が入り、曇りや雨の日もゼロではなかったが、高気圧に覆われて晴れた日が多かった」と話す。昨年と一昨年は7、8月に1回ずつ近畿地方に台風が接近したが、今夏は現時点でゼロとなっていることも少雨の一因だ。
琵琶湖の水位は24日午後5時現在でマイナス42センチとなった。国土交通省琵琶湖河川事務所によると、8月にマイナス40センチを下回るのは、2008年以来8年ぶり。県ではマイナス65センチをめどに水位低下連絡調整会議を設置し、影響を調べることになっている。琵琶湖河川事務所は「今後、日本の南にある台風10号が雨をどれだけ降らすかを注視している」とする。
県内8カ所ある農業用の利水ダムも貯水率が平年を下回っている。県農村振興課によると、15日時点の貯水率は甲賀市の野洲川ダムが37%(平年値67%)、東近江市の永源寺ダムが40%(同67%)と、いずれも平年から4割ほど少ない。同課は「稲作は収穫期が近づき、それほど多くの水を必要としないので、何とか乗り切れるのではないか」とみる。
今後1週間の滋賀県内の天気は、28~30日に曇り一時雨と予報されている。彦根地方気象台は「台風10号が湿った空気を持ち込むことが予想され、雲が広がりやすくなる。平年より多めの降水量になるのではないか」としている。