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NHK  ビートルズ来日公演の新たな写真

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NHK  ビートルズ来日公演の新たな写真


(06月16日 15時31分 NHK)




1960年代に世界中を熱狂させたザ・ビートルズが、1966年、昭和41年に公演のために来日した際に撮影された60点に上る写真が新たに見つかりました。

このうち37点は、記録がほとんどないとされてきた最終日の公演を写したもので、鑑定した専門家は「資料的な価値が高く、新たな発見がないか研究のしがいがある」としています。

この写真は、1950年代から海外のジャズミュージシャンらを撮り続けた写真家で、10年前に亡くなった阿部克自さんの自宅の暗室で見つかりました。

封筒の中に紙焼きの写真やフィルムがあり、音楽出版社と専門家が調べたところ、今から52年前、昭和41年のビートルズの来日公演の際に阿部さんが撮影した写真が60点、残されていたことがわかりました。
写真は1点を除いてすべて未公開で、ビートルズの4人が6月29日に羽田空港に到着してホテルへ向かう場面や、日本武道館での公演の様子などが写されています。

中でも、音源がなく記録した写真も数点しかないとされてきた7月2日夜の最終公演が37点と半数以上を占め、大観衆に囲まれて演奏する4人の姿がさまざまなカットで撮影されていました。

ビートルズの来日時の動向に詳しく、写真の鑑定にあたった大村亨さんは「もう出尽くしたと思われていたビートルズの資料が大量に出てきたこと自体、資料的な価値がものすごく高い。お客さんの熱狂や4人が気持ちよく演奏していることが伝わり、新たな発見がないか研究のしがいがある」としています。

写真を撮影した阿部克自さんは、1950年代から世界的なジャズミュージシャンのレコードジャケットやポートレートの撮影を続けた写真家です。

戦後、進駐軍が持ち込んだジャズの文化に親しみ、独学で学んだ写真の腕を生かして、ピアニストのデューク・エリントンやサックス奏者のジョン・コルトレーンなど、モダンジャズの巨匠と呼ばれるアーティストの撮影を手がけ、世界的に活躍しました。

2005年、平成17年にはジャズ写真家に送られる最高の栄誉とされている「ミルト・ヒントン・アワード」を日本人として初めて受賞しています。

阿部さんは平成20年に78歳で亡くなり、ことしの春、長男の昇さんが阿部さんの仕事場だった自宅の暗室で遺品の整理をしていた際に、ビートルズの写真に気づいたということです。

昇さんによりますと、無造作に重ねられた封筒の束の中から、羽田空港に到着した直後の4人を写した3枚の写真と、かろうじてメンバーが写っているとわかる数センチ四方のフィルム十数点が出てきました。

フィルムを収めていた包み紙には、「TheBeatles羽田到着’66」「TheBeatles武道館JULY2’66」という阿部さんの手書きのメモが記されていたということです。

阿部さんがビートルズを撮影していたことについて、昇さんは一度も話を聞いたことがなかったということで、「父は好きなものしか撮影しない性格で、ジャズしか撮っていないと思っていたので驚きました。
当時はビートルズの人気でジャズがロックに押されていたため、不本意だったのかもしれません。依頼されてしかたなく撮りに行き、封印したんだと思います」と話しています。


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