閉店を惜しみ書店を撮影する客ら
(台北 25日 中央社)書店街として知られる台北市の重慶南路で34年にあたり営業してきた「金石堂書店城中店」が24日、店を閉じた。最後の営業日となったこの日、多くの客が来店し、店内を撮影するなどして閉店を惜しんだ。
重慶南路は台北で学生時代を過ごした多くの人にとって、本や参考書などを求めて足を運んだ思い出の場所。だが近年は時代の流れとともに、書店が徐々に姿を消す一方でホテルや飲食店が増加し、書店街としての趣が失われようとしている。そんな中でも同店は2013年に店内を新しく生まれ変わらせるリニューアル工事を行うなどし、書店街に客を呼び戻そうと努力を続けていた。だが、貸主の都合により賃貸契約更新を断られ、閉店を余儀なくされた。
営業終了10分前の午後9時50分、かつて同店で勤務した従業員34人が入口の両脇に並び、客を見送った。従業員が「ありがとうございました」と深くお辞儀をすると、客は「もてなしてくれてありがとう」と応答し、温かい雰囲気に包まれた。
同店は築約100年の3階建ての洋館を借り上げ、1984年に開業。延べ床面積は200坪を超える。チェーン展開する金石堂書店の台湾全土の店舗で上位5位以内に入るほどの売り上げを維持し続けていたという。