(8/5(日) 16:55 朝日新聞デジタル)
嘉義農林(かぎのうりん)のOB
第100回全国高校野球選手権記念大会の開会式。スタンドではかつて日本統治下だった台湾から春夏5回出場し、1931年の夏の第17回大会で準優勝経験もある嘉義農林(かぎのうりん)のOBら約40人が開会式を見守った。
蔡清輝さん(90)は42年に嘉義農林に入学したが、この年から4年間、戦争の激化で大会が中止になった。「台湾の若者にとっても甲子園は憧れだった。戦争で夢の舞台を奪われたのは無情だった」と振り返る。この日、同校が甲子園に出場した時の復刻ユニホームを着て内野席から見学。選手が行進する姿を見て、「若者が夢に向かって努力したことを発揮できるのは喜ばしい。自分もここに立ちたかった」と声を震わせた。
準優勝時の呉明捷投手(83年死去)の次男、堀川盛邦さん(63)も埼玉県所沢市から駆けつけた。「87年前に父がこのマウンドに立っていたと思うと感無量です」と話した。