半導体大手TSMC、工場がウイルス感染 今期収益への影響「2%以下」
工場のウイルス感染について説明するTSMCの魏哲家総裁(左から2人目)
(台北 7日 中央社)半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は3日、機器がウイルスに感染し、一部工場で生産が一時停止した。TSMCは6日、台湾証券取引所(台北市)で記者会見を開き、同日午後に復旧作業が全て完了したと説明。第3四半期(7~9月)の営業収益への影響については2%以下になるとの見通しを示した。TSMCは当初、同期の営業収益を84億5000万~85億5000万米ドル(約9400億~9500億円)と見込んでおり、試算すると最大で約1億7000万ドル(約190億円)押し下げられることになる。
3日夕方に感染し、影響は新竹や台中、台南など台湾各地のサイエンスパークに位置する複数の工場に及んだ。TSMCは今年6月、創業者の張忠謀(モリス・チャン)氏が引退したのに伴い、劉徳音董事長と魏哲家総裁の2トップ体制に移行したばかり。新体制発足後最大の危機とされ、同社の危機対応能力に注目が集まった。
記者会見には、魏総裁が出席。今回のウイルス感染について、同社内部のミスだとし、サイバー攻撃などの可能性を否定した。ウイルス感染の有無の確認が不十分なまま、新しい機器を社内のネットワークに接続したため、ウイルスが拡散したという。ウイルスはランサムウェア「ワナクライ」の変種で、製造や顧客に関するデータへの影響はないとしている。
顧客への影響の程度について、詳細は明らかにされなかった。だが、魏氏は「先進的なシステムほど自動化が進んでおり、複雑なため、影響が大きくなった」と説明しており、7ナノ(ナノは10億分の1)メートルや10ナノメートルの製品に比較的大きな影響があったとみられる。
魏氏は、今期の製品の出荷は遅延するものの、来期で全て取り戻せるとの見方を示した。年間の営業収益は、当初の予測通り前年比7~9%増を維持する見通し。
工場のウイルス感染について説明するTSMCの魏哲家総裁(左から2人目)
(台北 7日 中央社)半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は3日、機器がウイルスに感染し、一部工場で生産が一時停止した。TSMCは6日、台湾証券取引所(台北市)で記者会見を開き、同日午後に復旧作業が全て完了したと説明。第3四半期(7~9月)の営業収益への影響については2%以下になるとの見通しを示した。TSMCは当初、同期の営業収益を84億5000万~85億5000万米ドル(約9400億~9500億円)と見込んでおり、試算すると最大で約1億7000万ドル(約190億円)押し下げられることになる。
3日夕方に感染し、影響は新竹や台中、台南など台湾各地のサイエンスパークに位置する複数の工場に及んだ。TSMCは今年6月、創業者の張忠謀(モリス・チャン)氏が引退したのに伴い、劉徳音董事長と魏哲家総裁の2トップ体制に移行したばかり。新体制発足後最大の危機とされ、同社の危機対応能力に注目が集まった。
記者会見には、魏総裁が出席。今回のウイルス感染について、同社内部のミスだとし、サイバー攻撃などの可能性を否定した。ウイルス感染の有無の確認が不十分なまま、新しい機器を社内のネットワークに接続したため、ウイルスが拡散したという。ウイルスはランサムウェア「ワナクライ」の変種で、製造や顧客に関するデータへの影響はないとしている。
顧客への影響の程度について、詳細は明らかにされなかった。だが、魏氏は「先進的なシステムほど自動化が進んでおり、複雑なため、影響が大きくなった」と説明しており、7ナノ(ナノは10億分の1)メートルや10ナノメートルの製品に比較的大きな影響があったとみられる。
魏氏は、今期の製品の出荷は遅延するものの、来期で全て取り戻せるとの見方を示した。年間の営業収益は、当初の予測通り前年比7~9%増を維持する見通し。