台湾中部や南部で豪雨 冠水や落石などの被害 台鉄の運行にも乱れ
軍のボートで救助される嘉義地区の住民
(台北 24日 中央社)熱帯低気圧の影響で、中部や南部では23日から大雨が続いている。中央災害対策センターによれば、11人がけがをしたほか、冠水や落石などの被害が相次いだ。雨の影響で中部と南部の8県市は24日、休業休校措置を県・市内全域で実施。台湾鉄路管理局(台鉄)の列車運行にも乱れが生じている。
中央気象局によると、23日午前0時から24日午後1時半までの総雨量は台南市楠西区844.5ミリ、嘉義県大埔郷818.0ミリ、台南市東山区817.0ミリ、嘉義県鹿草郷805.0ミリなど。
台鉄の西部幹線は24日午前、一部列車が運休になった。正午から午後6時までは、南下は自強号(特急)が嘉義駅まで、キョ光号(急行)は彰化駅までの区間で運転する。北上は列車種別に応じて嘉義または彰化駅から出発する。台湾高速鉄道(高鉄)は通常運行している。(キョ=草かんむりに呂)
落石や冠水により、中部や南部の国道(高速道路)3カ所が通行止め、省道6カ所が寸断された。累計避難者数は4774人。5万8459戸が停電したが、そのうち4万9112戸ではすでに復旧した。冠水は884カ所に上った。
気象局によれば、熱帯低気圧は24日午前8時、中部・台中沖をゆっくり北上した。移動速度が遅いため、嘉義、台南、屏東では日中も引き続き激しい雨に見舞われる恐れがある。北部も次第に雨脚が強まる見込みで、気象局は注意を呼び掛けている。
大雨の恐れがあるのは次の地域。超大豪雨(24時間雨量500ミリ以上)地区=雲林県、嘉義市、嘉義県、台南市、高雄市、屏東県、澎湖県▽大豪雨(同350ミリ以上)=彰化県、南投県▽豪雨(同200ミリ以上または3小時100ミリ以上)=苗栗県、台中市、台東県▽大雨(24時間雨量80ミリ以上または1時間雨量40ミリ以上)=新北市、桃園市、新竹市、新竹県、宜蘭県、花蓮県。
休校休業措置が取られているのは台中市、彰化県、雲林県、南投県、嘉義市、嘉義県、台南市、高雄市。屏東県は獅子郷、瑪家郷のみ休校休業となっている。