大極殿跡でスマホをかざすと、画面に表示される平安時代の再現
平安時代の景観を現在の京都市内で見られるスマートフォン用アプリを、立命館大の教授らが開発し、無料公開している。拡張現実(AR)技術を使い、平安京の政治中枢「大内裏」の各施設跡でスマホをかざすと、鮮やかな朱塗りの建物が現実風景に重なって表示される。開発者は「史跡巡りや地域学習に活用してほしい」と期待する。
アプリは「バーチャル平安京AR」で、矢野桂司教授(人文地理学)らの研究チームが開発した。GPSの位置情報と、京都アスニー(中京区)に展示されている平安京の復元模型の3次元データを活用し、平安京北部にあった大内裏内(南北1・4キロ、東西1・2キロ)の各施設跡に復元モデルを配した。
例えば千本丸太町交差点(上京・中京区)でアプリを起動して、北向きにスマホをかざすと、天皇が政務や国家儀式を行った大極殿の再現モデルが画面内に登場。各施設跡で同様に操作すれば、それぞれの建物の再現モデルを見ることができる。10秒ごとに位置情報が更新されるので、移動にも対応している。
大内裏内のほかにも、平安京のメインストリート朱雀大路の景観や平安京の南の入り口だった羅城門の外から都の中を見るような映像コンテンツも盛り込んだ。グーグルプレイとアップルストアから無料でダウンロードできる。
矢野教授は「好評であれば、有名貴族の邸宅跡などの情報も拡充していきたい」と話している。
(京都新聞)