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「台湾存続、中国圧力で危機」 台湾の陳水扁元総統に独占インタビュー 10年ぶりメディアに

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台湾の陳水扁(ちん・すいへん)元総統は4日までに、南部・高雄市内で産経新聞の単独インタビューに応じ、「中国から強い外交的、軍事的圧力を受けている台湾はいま、大変危機的な状況にある」との認識を示した上で、中国の脅威に対抗するために、「一日も早く民意を問う住民投票を実施して、台湾の声を世界に伝える必要がある」と強調した。2008年に総統を退任した陳氏は、汚職などの罪で約6年投獄され現在は仮釈放中で、メディアのインタビューに応じたのは約10年ぶり。(高雄 矢板明夫)

 最近、台湾と外交関係のある国が次々と中国に奪われていることについて、陳氏は「国際社会における台湾の存在感を抹殺することが目的だ。台湾を併合することへの準備であり、いつ武力行使があってもおかしくない」と分析した。蔡英文(さい・えいぶん)政権が堅持している「現状維持」という対中姿勢について、陳氏は「守りの姿勢だけでは限界がある」と苦言を呈した。その上で、「私たちは武力ではなく、民主主義的な手法で対抗するしかない」と強調し、蔡政権に対し「住民投票を推進すべきだ」と提言した。「中国の一部になりたくない」という台湾の民意を数字ではっきりと示し、国際社会に理解される努力をする必要があると主張した。


 米中貿易戦争が深刻化していることについては「米国に接近して、国際社会における台湾の存在感を高めるチャンスだ」との認識を示す一方で、「台湾は米国にとっての『対中カード』にすぎないという自覚も必要だ。トランプ米政権に過度な期待をしてはならない」と冷静に分析した。

 また、日台関係については「安倍晋三政権は歴代自民党政権でも最も台湾に友好的だ。とても感謝している」と語る一方で、「むしろ今の蔡政権の姿勢が消極的で、日本の善意に積極的に応える努力が足りない」と指摘した。

 陳氏は一方で、馬英九(ば・えいきゅう)前政権について「ほぼ無条件に門戸を開いたため、中国の台湾に対する侵食を加速させる原因をつくった」と厳しく批判。2015年にシンガポールで行われた中国の習近平国家主席と馬氏との会談について、「馬氏個人のパフォーマンスだ。台湾にとって何の良いこともなかった」と一蹴した。

 自身に対する汚職などの容疑については「理不尽な理由で投獄されたのは大変つらいが、台湾の民主化のために背負わなければならない十字架だ」と語った。



 ■陳水扁(ちん・すいへん)氏 1951年、台南生まれ。台湾大学法学部在学中、司法試験に合格。弁護士として民主化運動指導者らの弁護団に参加した。台北市長などを経て、2000年、民進党から総統に当選。半世紀にわたる国民党支配からの政権交代を成し遂げた。04年に再選を果たすも、08年の総統退任後に収賄罪などで逮捕・起訴され服役。現在、病気療養のため仮釈放中。


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