宿泊施設に代用されたとみられるマンションを家宅捜索する府警捜査員ら
旅館業法に違反している「民泊」施設への指導に取り組んでいる京都市は、4~8月に行った調査や指導の状況をまとめた。周辺住民からの通報などを受け、調査対象とした施設は725件で、無許可営業と確認したのは331件。このうち148件について、指導して営業を中止させた。(池尻太一)
マンションの空き部屋などに有料で宿泊させる民泊施設の急増に伴い、周辺住民から苦情や相談が相次いだことを受け、市は昨年12月にプロジェクトチームを発足。今年5月、市内2702施設のうち適正に運営されているのは7%とする調査結果を公表し、7月には「民泊通報・相談窓口」を設置した。
発表では、窓口に寄せられた通報976件などを基に調査対象を絞り込み、延べ1127回の現地調査を実施。違法営業を確認した施設のうち、指導後に許可を取得したのは7件にとどまった。市の担当者は「許可を得るための改修や手続きの手間を敬遠したようだ」と分析している。
一方、民泊営業のため、旅館業法に基づく許可を新規に取得した施設数は4~8月の5か月間で273件と急増し、2015年度の246件を既に上回った。
市観光MICE推進室は「観光客の急増に対し、市内の宿泊施設は不足している。住民の生活を守り、観光客に京都を楽しんでもらうためにも、指導をさらに強化し、適正な民泊を増やしていきたい」としている。
京都新聞