(中央社)嘉義市の中心部に軒を連ねる28棟の日本家屋群。「ヒノキビレッジ」と名付けられた街並みに足を踏み入れると、あたかも日本統治時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚える。最近では映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」のロケ地にもなり、毎日多くの観光客が訪れる人気の観光スポットとなっている。
阿里山など豊富な森林資源を擁する嘉義は、日本統治時代に木材の一大集積地として発展。ヒノキビレッジのある場所はもともと台湾総督府営林局の木造宿舎群だった。近年になって同地を再活性化させようと地元自治体が修復。一般開放されるようになった。
高温多湿の風土に合わせて風通しをよくするため、宿舎はいずれも高床式。強い日差しが直接部屋に入らないようにする外廊下もある。また、雨水が室内に入るのを防ぐ下見板も日本情緒を掻きたてており、古きよき空間が嘉義の歩んできた歴史を今に伝えている。