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猫の手借りて千客万来 寺町通和菓子店/京都

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船はしや総本店「シロ店長」






 京都・寺町二条を上がった老舗和菓子店の看板猫が人気だ。店舗入り口にある商品棚で昼寝をする姿が愛らしく、記念撮影に訪れる観光客らの姿も。売り上げアップにも貢献し、昨年8月には店長に就任するなど、地元のアイドルになっている。(白岩秀基)

 煎った豆に砂糖をかけ、5色に彩った京銘菓「五色豆」を製造、販売する「船はしや総本店」(中京区)のシロ店長(雄、7歳)。同店社長の妹・辻美千子さん(65)が知人から譲り受けたアメリカンショートヘア「エミリー」から2009年に生まれた。

 日差しや吹き抜ける風が気持ちいいのか、約3年前から、入り口近くの棚に並べた商品を押しのけ、手足を伸ばして寝ころぶように。いつの頃からかエミリーも並んで眠り、シャッターが開く午前9時半には起きて、親子仲良く窓の外を眺めたり、毛繕いをしたりしている。

 店は京都市役所に近く、画廊や商店が並ぶ寺町通沿いの繁華街の一角。次第にシロの姿に気づき、立ち寄る観光客らが増えた。昼寝をしている時間も長く、頭や体をなでられると薄目を開け、気持ち良さそうな表情を見せる。

 昼寝を終えれば、店内を歩き回るなど、店長としての〈仕事〉もこなす。学校帰りの小学生が「バイバイ」と手を振り、夕刊を配達する男性も「店長お疲れさま」と声をかける。シロと遊んだ子どもたちから、お礼の手紙が届くこともあるという。

 辻さんは「不景気もあって客足が減っていたが、シロのおかげで店がにぎやかになった。これからも店長として店を引っ張ってほしい」と期待する。

 店の建物は明治期に建てられた築100年以上の京町家。シロがきっかけで店を訪れるようになったという下京区の主婦、松井閲子さん(40)は「京都らしい店構えに、シロ店長がたたずむ姿がよく似合う。おいしいお菓子にも出会え、猫に招かれて幸運をもらったよう」と笑顔で話した。





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