「メガ幸子」台湾降臨――。演歌歌手・小林幸子さんがNHK紅白歌合戦で披露した高さ8メートル、幅6.6メートルの巨大な胸像が台北市で海外初公開された。
メガ幸子を据えた舞台では日本の多彩な伝統芸能が披露されたが、像の強烈なインパクトを前に、幸子さん本人の存在さえも霞む。
中国語でそのまま「巨大幸子」と翻訳されるメガ幸子。だが台湾の友人たちは口々に「日本の媽祖様だ」と叫ぶ。媽祖(天后)は航海と漁業の守護神で、台湾や中国南部では観世音菩薩や聖母マリアをしのぐほどあつく信仰されている。メガ幸子のデザインは確かに中華風。幸子さんも台湾人記者から媽祖像の写真を見せられ「そっくり」と微笑んだらしい。
会場の片隅でメガ幸子に手を合わせている老女を見つけた。聞けば「花蓮港の媽祖様に似た顔立ちだから」。次回の花蓮紀行では媽祖詣でも加えたい。
花蓮港の媽祖様
NNA.ASIA台湾 コラム