幻想的な雰囲気に包まれた会場
古典をテーマとしたアートプロジェクト「光の庭」が26日夕、京都市左京区の府立陶板名画の庭で始まった。「源氏物語」の場面をモチーフにしたライトアップがコンクリートの壁に映し出され、訪れた多くの市民を魅了した。
北山地域をアートを通じて活性化しようと府が主催した。照明は、京都市出身で、二条城や東京駅100周年記念ライトアップを手掛けたアーティスト高橋匡太さん(46)が担当した。
午後5時すぎ、「桐壺」や「若紫」など六つの場面に出てくる和歌などがLED照明で壁に一斉に映し出された。場面ごとに合わせた雅楽や波の音も流され、幻想的な雰囲気を醸し出した。「幻」の場面では、流れる滝に文字が投影され、市民らが熱心に見入った。
伏見区のパート赤井豊美さん(49)は「不思議な世界に足を踏み入れたみたい」と話した。前期となる源氏物語の照明は12月11日まで。後期(同15日~25日)は、能をテーマとしたライトアップが行われる。午後5時~8時。入場無料。