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杉戸絵ずらり、親王が矢放った跡も 京都・醍醐寺

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江戸中期の山本探川の作品と分かった



京都市伏見区の醍醐寺霊宝館で、かつて三宝院にあったとみられる江戸時代の杉戸絵が初公開されている。最近になって作者や年代が分かった作品が多く、来場者の注目を集めている。

 秋季特別展の中で、狩野派の流れをくむ江戸中期の絵師山本探川(たんせん)(1721~80年)の10点と、江戸後期の円山派の山口素岳(生没年不明)の2点を含む、18点の杉戸絵を初めて公開している。昭和10(1935)年完成の霊宝館で保存してきたが、作者や年代が不明のままだった。

 探川の作品は中国の聖人やタカ、松などを描いている。作風が同じ一連の作品の1点にあった「法橋探川筆」の銘が手がかりとなった。秋草を描いた2点のうち1点に「素岳」の銘と落款が確認できた。

 大半の杉戸絵には、小指ほどの大きさのへこみ傷があった。幕末、幼少期を醍醐寺で過ごした閑院宮載仁(ことひと)親王が矢を放って遊んだ跡とされ、門跡寺院ならではの歴史が感じられる。

 醍醐寺の田中直子学芸員は「探川の作品がまとまって展示されるのは珍しい。美術史的にも貴重な作品なので多くの人に見てもらいたい」と話している。10日まで。拝観料が必要。


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