(台南 12日 中央社)台南市中西区で名物のタンツーメン(担仔麺)を販売していた老舗店「洪芋頭担仔麺」が今年10月、大きな告知もなく、ひっそりとのれんを下ろした。現在でも事情を知らず遠方から訪れる人々がおり、閉店を惜しむ声が寄せられている。
同店の開業は1895年までさかのぼる。これまで四代に渡っておいしさを伝承してきた。外国人観光客に人気の「度小月」も、同店にルーツを持つ。
近くに住む男性によると、毎年旧正月の時期には家の前に多くの車やスクーターが停まるため、三代目で故・洪東英さんの妻・洪呉佳芬さんがお詫びの印として肉味噌を差し入れてくれるのが恒例になっていたという。
佳芬さんが他界してからは娘で四代目の洪佩吟さんと洪怡如さんが切り盛りを続けていたが、売上の減少などで店じまいを決めたらしい。
店のシャッターはすでに2カ月間閉じられたままだ。大きく目立っていた看板も撤去された。残されたのは、「どこに引っ越したんですか」と聞きに来る客だけになったという。