仏画と明かりが非日常の空間を演出する幻想館

西陣織の仏画と陶製の明かりで演出する施設「糸のみほとけ幻想館」が6日、京都市右京区嵯峨鳥居本にオープンした。暗闇の中に仏の姿が浮かび上がり、来館者を非日常の空間にいざなう。
京都や奈良の国宝の仏像を約15年前から西陣織で再現してきた「西陣美術織工房」(上京区)が、奥嵯峨地域への誘客のきっかけになればと開設した。
広隆寺(右京区)の弥勒菩薩(ぼさつ)半跏(か)像、聖林寺(奈良)の十一面観音立像など仏像15体を、15色の糸とキララ糸で忠実に織った仏画が壁に飾られた。陶器に微細な穴を開けて清水寺やモミジを描いた「陶灯」約50点が点灯すると、仏画の糸がきらきらと輝いた。
近くに居を構える作家、瀬戸内寂聴さんが描いた「はなひら観音」を西陣織で再現した掛け軸も飾られ、観光客らが見入っていた。姫路市から来た西村和江さん(69)は「日常を忘れて落ち着けます」と話していた。
開館は金・土・日曜の午前10時~午後5時。入館料500円。同館070(2677)1090。
京都新聞