地下1階に整備する飲食フロアのイメージ図。京都産の清酒や地ビールなどを提供する
JR京都駅前で半世紀を超えて営業する京都タワー(京都市下京区)の商業ビルが来春、リニューアルする。過去最大規模の改装を施し、地元の清酒が楽しめる飲食店や菓子店、文化体験が楽しめるテナントなど50店舗以上を誘致。一帯ににぎわいを生み出す。
多くの観光客が利用する京都駅前の集客力を高める狙いで、タワー運営会社や京阪電気鉄道を傘下に持つ京阪ホールディングス(大阪市)が実施を決めた。タワー下部にある地上9階、地下3階建てのビルのうち地下1階~地上2階の3フロアを全面改装する。
新たな施設名は「京都タワーサンド」。京都最大のターミナルと古都の街、観光客と市民を結びつけるコンセプトを掲げた。地下1階は飲食フロアとし、清酒や地ビールを味わえるバー、ステーキ店など約20店舗をそろえる。1階は和菓子やスイーツ、化粧品など物販系の約30店舗を集め、2階はすしの握りや菓子作りを楽しむ体験ゾーンとする。投資額は非公表。
京都タワービルは上層階にホテル、地下3階に公衆浴場があり、昨年には外国人向けの観光案内所も3階にオープンした。改装するフロアは土産店や100円ショップがあったが、現在は1階のコーヒー店を除き全て休業している。
京都タワーは1964年開業。京阪グループはタワー展望室のリニューアルやライトアップ照明のLED(発光ダイオード)化、ホテルの客室改装など積極投資を続けており、「新たなタワービルとの相乗効果で京都に住む人やリピーターの観光客も足を運ぶ施設を目指したい」としている。