二条城にある国宝・二の丸御殿の障壁画を集めた展示「冬から春へ~障壁画にみる雪景色」が22日、城内の収蔵館で始まった。江戸時代前期に狩野派の絵師たちが手がけた荘厳なふすま絵が、訪れた人たちを魅了している。
二の丸御殿には約3600枚の障壁画があり、うち1016枚が重要文化財に指定されている。普段は複製品を御殿で展示しているが、季節ごとに本物を収蔵館で公開している。今回は、黒書院と白書院の各「一の間」の、大床を飾る障壁画を中心に26枚を並べた。
「松柴垣(まつしばがき)禽鳥(きんちょう)図」は縦3メートル、横4・6メートルにおよぶ大作。雪をかぶった大松を中央に据え、赤い花を付けた梅の枝、カケスやヒヨドリなどの鳥を配している。画面下に描かれた柴垣には、厚塗りした胡粉(ごふん)と金箔(きんぱく)、銀泥(ぎんでい)などで表現した跡があり、制作当時はきらびやかな雪化粧が広がっていた様子が想像できる。
2月26日まで。入館料100円、別途入城料が必要。