ドレスの複製品に見入る来場者
西本願寺第21世明如宗主(しゅうしゅ)(大谷光尊)の次女で、慈善活動に尽くした九條武子(1887~1928)の没後90年に合わせた特集展示「追慕抄 九條武子」(京都新聞など主催)9日、京都市下京区堀川通正面下ルの龍谷大龍谷ミュージアムで始まった。関東大震災で被災者の救援に当たる映像や、柔らかな筆遣いの書や絵画が武子の人柄をしのばせている。
生前の武子の写真や書簡、着用していたドレスの複製品など約80点を集めた。
京都では初公開となる16ミリフィルムは、関東大震災(1923年)後の日比谷公園で被災した児童たちに衣類を手渡す武子の姿を映し出す。自身も被災しながら震災遺児らの支援活動に励んでいたさなかに発熱し、敗血症のために亡くなった。上村松園や佐佐木信綱に師事した美人画や和歌も展示され、諸芸に優れた武子の魅力を伝える。
2月19日まで。(1月17、23、30日、2月13日休館)。有料。