(屏東 11日 中央社)賀陳旦・交通部長(交通相)は10日、屏東県が要望する台湾高速鉄路(高鉄、新幹線)の屏東への延伸について、「環境条件が未成熟」として慎重な態度を表明した。だが、その具体的な「条件」には言及がなかったことから、県関係者がいらだちを募らせている。
南港(台北市)と左営(高雄市)を結ぶ高鉄。屏東への延伸は昨年、潘孟安屏東県長が提言し、関係各方面に働きかけが行われていた。
賀陳部長は、「建設するのは容易だが、維持するのは難しい」「需要があるのか、環境が成熟しているか、評価を待たなければならない」と早急な整備を否定。早期実現を求める県関係者に衝撃が走った。
県の広報担当者は、県人口が83万5000人に達していることに触れ、台北市や台南市など6大都市を除いて台湾で2番目に人口の多い自治体だと強調。国内外からの観光客も年間1000万人を超えているとし、すでに駅のある苗栗、彰化、雲林、嘉義よりも有利な条件を持つと反発した。
県では交通部に対し、建設に必要な具体的な条件を明示した上で、実際に「環境条件が未成熟」かどうか判断してほしいとしている。