台湾では実に多くの日本のドラマが人気を博している。その中でも特に台湾の視聴者が羨望(せんぼう)のまなざしを向けるのが青春ドラマだ。以下は、台湾のネットに掲載された記事。
台湾で制作された青春ドラマと日本で制作された青春ドラマ。そのクオリティーはどうして、天と地ほどの差があるのだろうか?その原因は演出力うんぬんよりも、現実の学生生活そのものが、日本と台湾では雲泥の差があるからと考えられる。
日本のドラマや映画を見ると、学生たちは実に、充実した学生生活を送っている。中でも際立っているのが部活動だ。花形の野球部であろうが、廃部寸前のクラブであろうが、部員たちがともに奮闘する中で、強い友情が生まれたり、ほのかな恋が生まれたりする。
子どもから大人へとなりつつある学生たち。怖さ知らずで、何事にも真っすぐに突き進んで玉砕する。尽きることのないエネルギーを持て余し、バカをすることに全てをかける。そのくせまだまだ不器用で、それ故にかなえられなかったことややり残したことを置き去りにしたまま、人は大人になっていく。その甘酸っぱさに、多くの視聴者は心の琴線をくすぐられるのだ。
一方、台湾の学生たちはというと…一に勉強、二に勉強、三に勉強。ほかには何もない。学校と塾の往復を繰り返すばかりだ。ドラマになど、なりようがない。
日本の青春ドラマが僕らを引きつけるもう一つの大事なポイントは、作中の絶妙なタイミングで流れる秀逸な主題歌の数々だ。おなじみのイントロが流れるだけで、自然と涙があふれてくるような…。聞き返すだけでいつでも、ストーリーが甦るような…。
古くは「101回目のプロポーズ」(1991年)の「SAY YES」から、「やまとなでしこ」(2000年)の「Everything」(MISIA)、「プロポーズ大作戦」(2007年)の「明日晴れるかな」(桑田佳祐)まで。ほとんどのヒット作がスマッシュヒットを生み出している。(翻訳・編集/愛玉)
■愛玉プロフィール
中国語翻訳者、ライター。 重慶大学漢語進修課程で中国語を学ぶ。その後、上海で日本人向けフリーペーパーの編集、美容業界誌の中国語版立ち上げなどに携わる。