(CNN) 台湾政府は11日、中国の空母が台湾海峡を航行したのを受け、戦闘機と偵察機、海軍のフリゲート艦を急行させた。国営中央通信社が伝えた。
中国が唯一保有する空母「遼寧」とフリゲート艦、駆逐艦からなる小艦隊は、南シナ海での演習を終えて中国北東部の基地に帰還する途中だったとみられるという。
中央通信社は台湾国防部の話として、中国艦隊は11日朝、広東省の汕頭沖を通過し、そのまま北上したと伝えた。艦隊は「台湾海洋の中間線の西方」、つまり中国寄りの海域を通っていたという。
中米を訪問している台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統はニカラグア滞在中に状況説明を受け、中国艦隊の動きを注意深く見守るよう指示を出したという。
遼寧の艦載機(J15戦闘機)は先月、黄海上で戦闘や空中給油の訓練を行った。その後、艦隊は太平洋に向かっていた。
中国国営メディアの環球時報は、遼寧が演習を行っていた先月25日の社説で、政府に対し空母艦隊を創設して東太平洋に派遣することや、南米に海軍の補給基地を作ることを呼びかけた。
また環球時報は、遼寧の戦闘能力と作戦海域が拡大したことが演習により示されたと指摘するとともに、作戦海域は近い将来、東太平洋に至るとの見方を示した。これは将来、米西海岸沖まで広がる可能性もある。