世界各国でそれぞれのお国柄を反映したバレンタインデーが今年も終わった。台湾の国営通信社・中央通訊社は13日、「ひときわこだわりのある日本のバレンタインデー」と題して、日本のチョコレート商戦を紹介している。
そもそも、「バレンタインデーにチョコレート」という発想がない台湾。バレンタインデーを前にすると、日本各地の百貨店がチョコレートの専門フロアを設けることが驚きのようだ。日本の市場調査最大手のマクロミルが発表した2017年の「バレンタイン実態調査」によると、社会人の男女1000人のうち、「バレンタインのチョコレートを購入する」と回答したのは女性の80%。男性でも25%。1人当たりの平均予算は4347円だという。フランスの有名ショコラティエが限定で発表した企画商品などは1万円の値をつけても飛ぶように売れるそうだ。
意中の異性に贈る「本命チョコ」を買うケースももちろん多いが、日本にはそれ以外の用途のチョコレートが複数存在し、他国では類を見ない独特の現象となっている。おなじみの「義理チョコ」以外に、自分に贈る「ごほうびチョコ」、家族にあてた「ファミチョコ」、友人同士で配る「友チョコ」などがその例だ。
日本では当たり前のこうした事情がわざわざ台湾のメディアで紹介される理由は、台湾のバレンタインデーがまったく異なる習慣を持つからだ。まず、基本的に、あちらのバレンタインは男性から女性に贈り物をする。そしてその贈り物は、チョコレートではない。基本は花束で、それにジュエリーなどのプレゼントがつくことも。近年では徐々に事情が変わってきているらしいが、豪華なホテルディナーを楽しむなど、かなり力の入った1日となる。もちろん、義理チョコなど存在しない!
また、台湾には1年に2回、バレンタインデーが存在する。もうひとつのバレンタインは旧暦の7月7日。そう、七夕である。こちらのほうが中華式の伝統的な「情人節(恋人の日)」であろう。この日にプロポーズを決めるのも、昔ながらのお約束だったという。