昨年１月に開館したロームシアター京都（京都市左京区）の３階に設けられた「ミュージックサロン」で毎日、クラシック音楽のビデオ上映やオペラ衣装の展示、ミニコンサートなどが無料で催され、ひそかな人気を集めている。来場者は累計２万３千人を超えており、運営団体は「さらに多くの人に広め、音楽を身近に感じてもらいたい」と話している。
■無料コンサートや衣装展示、クラシックを身近に
サロンは広さ約１００平方メートル。市民が気軽に音楽に親しめる場所として開設された。電子部品大手ローム（右京区）が設立した公益財団法人「ロームミュージックファンデーション」と、市音楽芸術文化振興財団が共同運営している。
音楽を視覚的に楽しめるようにと、これまでに新国立劇場（東京都）と協力してオペラの衣装や舞台模型を展示したり、貴重なオペラ公演や学生演奏会の映像を放映したりしてきた。現在は世界的指揮者の小澤征爾さん率いる音楽塾が３月に歌劇「カルメン」を同シアターで上演するのに合わせ、関連の写真や映像を同２３日まで紹介している。
また、演奏家による実演と解説をセットにした無料の「トーク＆コンサート」も隔月で開き、定員６０人に約４倍の応募が集まるほどの好評を得ている。１月には、過去にロームミュージックファンデーションの奨学金を受けたプロのチェリスト奥田なな子さんとピアニスト小林有沙さんが、優美な音色を響かせた。
奥田さんは「来場者と至近距離で演奏し、細かい表現まで伝えられた。（サロンは）クラシック音楽への扉を開く場所になっている」と評価した。次回はフルートの演奏会を３月２５日に開催予定。同１０日まで申し込みを受け付けている。
ロームミュージックファンデーション事務局は「今後も音楽との距離を縮める活動を展開していく。クラシック音楽に壁を感じている人も気軽に訪れてほしい」と呼び掛けている。
問い合わせは同事務局ＴＥＬ０７５（３１１）７７１０。
（京都新聞）