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佛教大や京都華頂大などを運営する学校法人佛教教育学園が、傘下の華頂女子中(京都市東山区)と華頂女子高(同)音楽科で2017年度の生徒募集を行わない方針を固めたことが8日、分かった。少子化による入学者数の低迷が大きな要因。在校生が卒業するまで教育活動は継続する。私立学校を所管する京都府文教課によると府内の私立中が募集停止した例は過去にないという。
同中は知恩院(東山区)が1911年に創設した華頂女学院が前身で、47年に新制中学として発足した。
学校法人によると、少子化や他校との生徒募集競争の激化により、入学者数は本年度が定員70人に対し18人、過去10年間でも年24~8人と苦戦を強いられていた。現在の在校生は45人と収容定員210人の2割にとどまる。
高校音楽科は63年に設置された。02年度に生徒募集を一時停止。11年度から再開したが、入学者数は年14~6人と伸びず、収容定員90人に対して生徒は30人しか在籍していない。
このため、人件費や運営費を賄うのに十分な収入が得られず赤字が常態化。学校法人全体の経営に与える影響も無視できないことから、5月下旬の法人理事会で生徒募集の停止を決めた。
中学校は今春入学した1年生が卒業するまで運営は続けるが、募集を再開しない限り19年3月末をもって休校となる。高校普通科は当面維持する。教職員の雇用については個別に協議するとしている。
法人副理事長の中野正明校長は「学校の特色や魅力を十分に発揮できなかった。学校法人としても支え続けるのが財政的に難しいと判断した」と説明している。