1連ずつ地上で組み上げた筏を水面に浮かべ、6連、7連と順々に接続していく作業
京都府亀岡市と京都市を結ぶ保津川下りの船頭たちが亀岡市保津町で再現した往時の筏(いかだ)流しの様子を、京都学園大の学生たちが小型無人機「ドローン」などを駆使して多方向から撮影した。
亀岡市文化資料館と同大学の共同研究プロジェクトとして、保津川下りの船だまりで、長さ約50メートルに及ぶ12連の筏を船頭4人が2月11日に組み上げ、水面で操った。
同大学人文学部の学生約20人は、ドローンで高さ35~3メートルの上下、水平と移動しながら撮影したほか、筏の先頭やヘルメットに装着したカメラからも動画や固定画に収めた。
2008年に3連を組むことから始まったプロジェクトは、筏の接続の長さを増やしていった。2年前には往時と同じ12連まで組み上げたが、保津川での操作では途中で座礁している。川と操船を知り尽くす船頭でさえ、長い筏を操ることは未知の領域だった。チャレンジを繰り返し、体で身に付けようとしている途上だ。同学部の手塚恵子教授によると、多方面からの撮影は、棹(さお)を支点として船頭が筏の上を素早く移動させる動きをとらえる狙いがあったという。「支点移動のタイミングなどを見極めることに役立て、カーブや急流、岩場など難所をクリアすることにつなげたい」と話している。