中川久夫さん（７５）
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天皇陛下の即位に伴う伝統儀式「大嘗祭（だいじょうさい）」で使う米を収穫する「斎田（さいでん）」は、南丹市と栃木県高根沢町の田んぼに決まりました。
「斎田」に決まったのは、南丹市八木町氷所新東畑の「キヌヒカリ」という品種が作付けされた田んぼ２６９５平方メートルと、栃木県高根沢町大谷下原の「とちぎの星」という品種が作付けされた田んぼ１２２７平方メートルです。
斎田を耕作する「大田主（おおたぬし）」は、南丹市では中川久夫さん（７５）になりました。
南丹市八木町氷所には、かつて宮中に献上する氷を取ったとされる水流があり、斎田にも近くの池からきれいな水が流れ込んでいます。
斎田では収穫を間近にひかえた稲が大きく実り、風に揺られて黄金色に輝いています。
一方、周囲では警察官が巡回するなど、警備が強化されていました。
斎田を耕作する「大田主」となった中川久夫さん（７５）は、「地域のみんなで稲を育ててきて大変でしたが、なんとかきょうを迎えることができました。これから稲刈りが始まりますが、最後までやり遂げる覚悟です」と話していました。
「大嘗祭」では、天皇陛下が即位後初めて、新しく収穫された米などを天照大神とすべての神々に供えた上で、みずからも食べ、国と国民の安寧や五穀豊穣などを祈られることになっていて、近く、それぞれの「斎田」で新米を収穫する儀式が行われます。
【栃木と京都の大田主】
宮内庁によりますと、東の「悠紀」地方の大田主になった栃木県高根沢町の農家、石塚毅男さん（５５）は、地元の区長を務め、これまでに県の農業経営に関するコンクールなどで表彰されています。
また、西の「主基」地方の大田主になった京都府南丹市の中川久夫さん（７５）は、地元の農業生産組合の役員を務め、地域の人たちで土地を共有するなどして稲作に取り組んでいるということです。
２人が大田主に選ばれたことについて、宮内庁は、「それぞれ高い稲作技術と人望があり、地域を代表する篤農家だと聞いている」としています。
【ＪＡ京都中央会の中川泰宏会長は】
斎田が決まったことについて、ＪＡ京都中央会の中川泰宏会長は、「斎田の手入れや献上米の品質管理を地元農業者や関係団体と連携して行ってきました。大嘗祭が実りあるものになるよう引き続き尽力して参る所存です」とコメントしています。
【西脇知事は】
斎田が決まったことについて、京都府の西脇知事は「豊かな自然に恵まれ、清らかな水に育まれた最高品質のお米が天皇陛下の御即位に係る儀式に用いられることは誠に名誉なことであり、心からお喜び申し上げます」とコメントしています。
NHK
