接ぎ木されたことがわかった伝説ゆかりの紅和魂梅
京都市上京区の北野天満宮は9日、本殿前にあるご神木の梅が、350年以上前の江戸時代前期に接ぎ木されていたことが分かった、と発表した。祭神の菅原道真が平安時代に左遷された大宰府(現在の福岡県太宰府市)に向け、京都から梅が飛んでいったという「飛び梅」伝説ゆかりと伝わる木で、同天満宮は「接ぎ木し、大切にしてきたことが、科学的に裏付けられた」としている。
八重咲きの紅梅「紅和魂梅」で高さ5メートル、幹回り2・7メートル。梅の保存、増殖で天満宮と協力する住友林業が組織培養のため、梅の葉と根のDNAを調査したところ、異なるDNAが検出され、接ぎ木されたと分かった。幹回りなどから、接ぎ木後350~400年経過していると判断した。同社は、今後も調査を続け、由来などを調べる。
この梅の組織を培養した苗木を、今後、後継の木として天満宮境内で栽培する予定で、橘重十九宮司(68)は「これから調査が進み、さらに時代をさかのぼることができればうれしい」と話した。